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第27回 市民医学講座 アレルギー性鼻炎について

古川駅南耳鼻咽喉科 鈴木 守

図1 年齢層別アレルギー性鼻炎有病率

本日は最近出されましたアレルギー性鼻炎診療ガイドラインの内容紹介を中心に、現在の診断法、治療などをお話しいたします。アレルギー性鼻炎は鼻粘膜のI型アレルギー疾患であり、くしゃみ、水性鼻漏、鼻閉を3主徴とするものです。原因としてダニ、ハウスダスト、カビ、各種花粉などがあります。国民全体の有病率は、ハウスダスト、ダニが主たる原因の通年性アレルギー性鼻炎が約18%、スギ花粉症が16%、スギ以外の花粉症が約10%です。図1に年齢層別の有病率を示します。花粉症は青壮年期に有病率が高いですが、通年性のものは幼少年期から高い有病率を示しております。

診断結検査はいずれも外来でできるもので、アレルギー性か否かの検査として鼻汁好酸球検査、血液中総IgE値があります。また原因の検査として皮膚テスト、特異的IgE抗体定量、ヒスタミン遊離試験、鼻粘膜誘発テストがあります。

治療は原因となる抗原の除去回避、薬物治療、手術治療があります。まず抗原の除去回避ですが、抗原を吸い込まなければ症状は出ないわけですから、非常に重要な治療です。室内ダニの除去として掃除をまめにする、織物のソファ、カーペット、畳はできるだけやめる。ベッド、ふとん、枕に防ダニカバーをかける、部屋の湿度を50%、温度を20~25℃に保つ、などです。花粉症の場合は、飛散の多い時間帯の外出を控える、外気を入れない、外出時のマスク、メガネの使用、うがい、洗顔などです。テレビやラジオでスギ花粉情報を出しておりますので参考にして下さい。ネコなどのペットの毛のアレルギーの場合は飼うのをやめるのが一番です。

薬物治療としては内服薬、外用点鼻薬、抗原特異的減感作療法などがあります。内服薬は抗ヒスタミン薬、抗ヒスタミン作用のない抗アレルギー薬(抗ロイトコリエン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬)、ステロイド薬などがあります。抗ヒスタミン薬は、眠気の副作用が出ることがあり、またステロイド薬は種々の副作用があるため長期連用は避けるべきです。外用点鼻薬は副作用は少なく、使いやすいですが、点鼻用血管収縮薬は長期連用により習慣性や反跳現象が問題となります。市販の点鼻薬は主にこれで注意を要します。抗原特異的減感作療法は抗原を少量ずつ注射して体を慣らすような治療ですが、頻回に長期間注射を繰り返す必要があり、あまりやられません。

手術治療としては鼻腔粘膜襲焼灼術、鼻腔整復術などがありますが、いずれも薬物治療が無効な難治症例が対象となります。

治療の実際としては重症度に応じて上記の地用を組み合わせて行うのですが、表1に通年性アレルギー性鼻炎の重症度別治療、表2に花粉症の治療を示しています。花粉症の治療で特徴的なのが初期治療です。これは花粉症の症状が出ると思われる季節の2~3週間前から内服薬を開始する治療法であり、これによってシーズン中の症状がかなり抑えられ、症状が出てから治療を開始するより効果が著しく高いというものです。毎年花粉症で苦しむ患者さんにすすめられる治療ですので、早めに受診し治療を開始するのがよいと思っています。以上簡単ですがアレルギー性鼻炎についてお話ししました。

表1 通年性アレルギー鼻炎の治療

重症度 軽度 中等症 重症
症型 くしゃみ・鼻漏型 鼻閉型または鼻閉を主とする充全型 くしゃみ・鼻漏型 鼻閉型または鼻閉を主とする充全型
治療 (1)第2世代抗ヒスタミン薬

(2)遊離抑制薬
(1)第2世代抗ヒスタミン薬

(2)遊離抑制薬

(3)鼻噴霧用ステロイド薬
(1)抗LTs薬

(2)抗PGD2・TXA2薬

(3)鼻噴霧用ステロイド薬
鼻噴霧用ステロイド薬+第2世代抗ヒスタミン薬 鼻噴霧用ステロイド薬+抗LTs薬または抗PGD2・TXA2薬
(1)(2)のいずれか1つ。 (1)(2)(3)のいずれか1つ。
必要に応じて(1)または(2)に(3)を併用する。
必要に応じて点鼻用血管収縮薬を治療開始時の5~7日間に限って用いる。
鼻閉型で鼻腔形異常を伴う症例では手術
特異的免疫療法
抗原除法・回避

注1)抗ヒスタミン薬は、第2世代を用いることが多いが、第1世代は値段が安い、早く効く、効いてる時間が短い、などの特徴をいかして使用する。ただし、眠気が強い、尿の出が悪い、縁内升障、喘息のある人には使えないことに注意する。

注2)遊離抑制薬=ケミカルメディエーター遊離抑制薬。
抗LTs薬=抗ロイトコリエン薬。
抗PGD2・TXA2薬=抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬。

注3)鼻づまりの強い場合、血管収縮薬の点鼻を1週間以内に限って使用。

注4)薬を1種類にするか複雑にするかは症状による。

注5)症状が改善してもすぐに薬を中止せず、数ヶ月の安定を確かめて徐々に減らしていく。

注6)重症例で上記薬剤に反応しない場合、経露ステロイド薬を短期間(1~2週間)使用しまけてばならないことがある。

表2 重症度に応じた花粉症に対する治療法の選択

重症度 初期療法 軽度 中等症 重症
症型 くしゃみ・鼻漏型 鼻閉型または鼻閉を主とする充全型 くしゃみ・鼻漏型 鼻閉型または鼻閉を主とする充全型
治療 (1)遊離抑制薬

(2)第2世代抗ヒスタミン薬

(3)抗LTs薬
(1)第2世代抗ヒスタミン薬

(2)鼻噴霧用ステロイド薬
第2世代抗ヒスタミン薬+鼻噴霧用ステロイド薬 抗LTs薬
+鼻噴霧用ステロイド薬+第2世代抗ヒスタミン薬
鼻噴霧用ステロイド薬+第2世代抗ヒスタミン薬 鼻噴霧用ステロイド薬+抗LTs薬+第2世代抗ヒスタミン薬
(1)(2)(3)のいずれか1つ。 (1)と点眼薬で治療を開始し、必要に応じて(2)を追加。 必要に応じて点鼻用血管収縮薬を治療開始時の7~10日間に限って用いる。鼻閉が特に強い症例では径ロステロイド薬4~7日間処方で治療開始することもある。
点眼用抗ヒスタミン薬または遊離抑制薬 点眼用抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬またはステロイド薬
鼻閉型で鼻腔形異常を伴う症例では手術
特異的免疫療法
抗原除法・回避

注)遊離抑制薬=ケミカルメディエーター遊離抑制薬。
 抗TLs薬=抗ロイコトリエン薬


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