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HOME > 市民医学講座 > 第28回 脳卒中の基礎知識について

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第28回 市民医学講座 脳卒中の基礎知識

鈴木脳神経外科クリニック 鈴木豪

脳卒中とは、虚血性と出血性に分けられます。虚血性(脳梗塞)には脳血栓症と脳塞栓症があり、出血性には脳出血とくも膜下出血がございます。
脳卒中の死亡率は、昭和45年頃から減少し始め、現在では癌・心疾患に次いで、3番目(約100人/10万人)であります。傾向としましては脳卒中の中で脳梗塞は増加傾向(全脳卒中の約70%)・脳出血(約20%)が減少しております。くも膜下出血(10%)に関しては大きな変化はごさいません。
死亡率は減少傾向にありますが、罹病率は年々、増加傾向にあります。(約300人/10万人)また、九州の久山町での長年にわたる調査では、本邦における脳卒中発症率は欧米のFramingham研究に比べると3-4倍高い結果が出ております。

1.脳梗塞

脳梗塞発祥の日内変動を見ると早朝-午前に多く発症する傾向があります。脳梗塞と一言で言っても、どの脳血管に閉塞をおこすかによって症状は様々ですが、主な脳梗塞の症状は次の通りです。つまり、意識障害・片麻痺・感覚障害・構音障害・失語症(運動性・感覚失語)・めまい・失調・失行・半側空間麻痺・視覚障害などがございます。

(A)脳血栓症
脳血栓症とは動脈硬化により、肥厚した血管壁によって峡窄・閉塞を来すものです。この血栓症には以下の2種類がございます。

(a)アテローム血栓性脳梗塞(30-40%)
脳主管動脈の動脈硬化が原因となって発生する場合も多く、通常、梗塞巣は、あまり大きくならないのが特徴です。この中には内頚動脈などからのアテロームが剥がれその毛梢血管が閉塞するArtery-to-arteryenborismと言われる塞栓症に起因する全身疾患としましては、心筋梗塞・狭心症・下末梢動脈疾患(PAD)があります。

(b)ラクナ梢塞(40-50%)
(ラクナとはラテン語で小さな空洞の意味)
穿通枝動脈の閉塞による直径15mm以下の小梗壁で、一般的に多発する傾向にあります。しかし、梗塞も小さく症状は経度で無症状のことも少なくありません。発症も覚醒時に多く、比較的緩徐に起こります。意識障害等は基本的にはほとんど認めません。

(B)脳塞栓症(心原性脳塞栓症:20-30%)
脳血管壁には異常はありませんが、心臓壁や弁に付着した血栓(栓子)が剥離して脳動脈を閉塞するものです。その原因の多くは不整脈(心房細胞・心房粗動)です。突然、脳血管が閉塞するため、側副血行の形成もなく、梗塞範囲も大きく動脈支配の全域にわたるものもあります。症状の重篤の例が脳血栓症と比較すると多い傾向にあります。急性期には脳浮腫対策が第1で早期からの脳浮腫対策が必要になります。慢性期にはワーファリンが投与されます。

脳梗塞慢性期治療と再発予防は、高血圧・高脂血症・糖尿病のコントロールおおに脳循環低下による不安神経症・うつ傾向のコントロールが必要です。

2.一過性脳虚血発作(TIA)

動脈硬化のために起こる1次的な脳循環障害です。普通は数分もしくは1時間以内に症状は消失してしまいます。TIAは脳梗塞の前駆症状であり、早期に治療を開始することが重要です。しかし、症状が直ぐに改善してしまうことから見逃されやすいのも現実です。

3.脳出血

・高血圧性脳出血
脳穿通枝動脈の微小動脈瘤の破裂が原因です。危険因子は高血圧で血圧コントロールが必要です。発症部位としては、被殻・視床・尾状核などの大脳基底核および小脳・脳幹がございます。症状も出現する部位によっては様々です。患者層の中高年以降の方が多いのも特徴です。一方、若年者の脳出血は高血圧が原因でなく脳動脈奇形によることが多く、MRIだけでなく、脳血管撮影が必要です。

(脳出血の治療の歴史)
現在では、脳卒中を発症した場合、外科治療を含めた高度の治療ができる病院に搬送するのが常識になっておりますが、以前は脳卒中患者は決してその場から動かしてはいけないというのが常識でした。しかし、それは刻一刻と症状が悪化していく脳卒中では、助かる人も助かりませんでした。それまでの動かしてはいけないといった常識を覆したのは岩手医科大学脳神経外科の名誉教授である金谷春之先生でした。昭和35年に本邦第1例目となる脳出血の外科治療を初めとして大学病院への救急搬送を東京大学などの内科の先生の反論にも屈せず、実績を上げていき、現在は少しでも早く救急搬送する事が常識となりました。

4.クモ膜下出血

くも膜下出血は脳主幹動脈の脳動脈瘤が破裂することによって起こります。症状は突然の今まで経験したことのない激しい頭痛です。もちろん、軽い頭痛・めまいなどご自身で外来に来院される方もおられます。未破裂動脈瘤の検出もMRAにより、以前より検出率は増加しております。未破裂動脈瘤の年間破裂率は0.1-0.3%と言われ、我々、脳神経外科医も以前ほど、未破裂動脈瘤に対する予防手術は年々、減少しております。しかし、定期的なMRAによる経過視察は必要です。一旦、クモ膜下出血になりますと、手術施行後も脳血管攣縮・正常圧水頭症などの合併症を来すことも多く、それにより後遺症を残してしまうこともございます。クモ膜下出血場合、搬送されても死亡もしくは種々の適応がない例が約50%、手術が無事施行されても先の合併症のため社会復帰できない例が約25%もあります。つまり、社会復帰できる方は25%しかいないのが現状です。また、脳卒中の中で唯一、家族性に発生するのがクモ膜下出血で約30%が遺伝すると言われております。

脳卒中の予防・早期発見には、症状がなくても脳の精密検査を受けるとともに、規則的な生活習慣および高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病の予防が重要となります。以上、市民公開講座の概要を記しました。


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