• HOME
  • 医師会の紹介
  • 医師会からのお知らせ
  • 病院・医院の案内
  • 市民医学講座
  • 休日診療案内
  • 会員ページ

市民医学講座

HOME > 市民医学講座 > 第35回 わかりやすい糖尿病教室

市民医学講座

第35回 「わかりやすい糖尿病教室」

冨樫クリニック 院長 冨樫 孝

大崎市医師会主催の第35回市民医学講座におきまして、多数の市民の皆様の前でお話しいただく機会を与えていただきまして有難うございました。
医師会の事務局より、専門用語を使わないで解りやすくお話をするようにとの指示があり、出来るだけ絵を用いて、約1時間お話しさせて頂きました。
講演に使用しましたテキストの内容を簡単にまとめ報告いたします。

1.糖尿病の有名人

糖尿病が歴史上初めて確認されたのは、今から3500年前にエジプトのエベレスパピルスにある「多量の尿を出す病気」という記述です。 日本では、平安時代、源氏物語の主人公光源氏のモデルとなった藤原道長が糖尿病で亡くなったことが知られています。「のどが乾いて、水を多量に飲む。体が痩せて、体力がなくなった。背中に腫れ物ができて目が見えなくなった。」と病状が書かれています。 そのほか、夏目漱石や横綱・柏戸などの有名人も糖尿病であることはよく知られています。

2.糖尿病患者の急増

糖尿病は、代表的な生活習慣病の1つで、患者数は年々増加しています。 世界の患者数は、2010年には2億8000万人、2030年には4億人以上に増加するだろうと推測されています。日本では、2012年の厚生労働省の調査で患者数は950万人で予備軍を含めて2000万人以上という結果が公表されました。
第二次世界大戦後の高度経済成長により食生活の欧米化が進み、摂取エネルギ-は横ばいであるものの、脂肪の摂取割合は急速に増加し、その割合は糖尿病の患者数と比例しています。さらに自動車の保有台数とも比例しており、日本における糖尿病の患者数は、脂肪摂取量の割合や車社会などの生活習慣と強く関係していると考えられます。

3.糖尿病の診断
  1. 空腹時血糖 ≧126 mg/dl
  2. 75g糖負荷試験2時間値 ≧200mg/dl
  3. 随時血糖値 ≧200 mg/dl
  4. HbA1c(国際標準値) ≧6.5%

いずれかを認めた場合は「糖尿病型」と判定します。

4.症状
  • のどの渇き
  • 尿の量が多い
  • 体重が急激に減る
  • 全身がだるく、疲れやすい
  • 目がかすむ(視力障害)

但し、糖尿病の自覚症状は血糖がかなり高くならないと出現しません。糖尿病の初期症状は、自覚症状がないため治療が必要といわれていても治療を受けない人が多いのが現実です。

5.合併症

糖尿病コントロールの目的は合併症発症予防と進展の抑制となります。糖尿病の合併症は、細小血管障害と大血管障害(動脈硬化性血管障害)とに分けられます。
細小血管障害は、細小血管(毛細血管)の病変から始まる病態で、糖尿病に特徴的な合併症です。代表的な例は、神経障害・網膜症・腎症で、この三者を糖尿病性三大合併症といいます。これに対して大血管症は、動脈硬化に由来する合併症で、足壊疽、脳卒中、虚血性心疾患などで糖尿病自体が危険因子となり、他の危険因子である高血圧、高脂血症、肥満、喫煙などと絡み合って発症します。また最近では、認知症や歯周病が糖尿病の合併症として問題になっています。

6.食事療法

糖尿病の食事療法には、以前から日本糖尿病学会で推奨しているカロリー制限食と最近マスコミでも取り上げられている糖質制限食があります。

  1. カロリー制限食(低脂肪食)
    • 全体的に食べる量を減らす
    • 油ものを控える
    • バランス良い食事
  2. 糖質制限食
    • 糖質(ご飯、パン、麺類、イモ類、果物)を控える
    • 肉や魚などの蛋白質や脂質の制限なし

私は、カロリ-計算の必要としない糖質制限食を肥満患者さんに積極的に勧めています。しかし、腎機能が低下している人は不適応で、食事療法に関しては原則医師や栄養士に相談してください。
また、最近では、野菜を最初に食べる食事療法(順番療法)も食後の血糖コントロ-ルに良い効果があると報告され、生野菜→おかず→ご飯の順番で食べる人も多いです。

7.運動療法

運動療法は、食事療法・薬物療法と並んで、糖尿病治療の有力な手段です。とくに、2型糖尿病の患者さんは、食事療法とともに運動療法を行うと、血糖が下がるだけでなく、動脈硬化の予防や老化防止といった点でも効果があることが実証されています。

  1. 血糖を下げる効果
  2. 体重を減らす効果
  3. 心臓や肺の働きを強化する効果
  4. 血圧を下げる効果
  5. 足腰など下肢の筋力を強くして、老化を予防する効果
  6. 血液の循環をよくする効果
  7. ストレス解消など気分転換の効果
8.民間療法

糖尿病は徐々に進行し心理的にも追い詰められそこで登場するのが民間療法です。短期間のうちにインスリン注射から抜け出せたとか、治らないはずのものが治ってしまったとか、大変魅力的な言葉で巧みに患者を誘惑してきます。
藁をも掴みたい人が、楽に治せるというような話を聞けば飛びつきたくなるのは分かりますが、明らかに悪質でお金儲けのために、治る根拠も無く最初から騙す目的で、誘惑してくる場合もあります。甘い言葉で誘ってきますので、コロっと騙されてしまう人もいます。

9.亭主を早死にさせる10か条

ハ-バ-ド大学のメイヤ-教授の逆説的な提言です。 この10か条を逆にすれば、ご主人様が健康で長生きできるということです。

  1. 夫を太らせなさい
  2. 運動させないで座らせておく
  3. 脂肉やバタ-をたくさん食べさせる
  4. 塩分の多い食事を多くとらせなさい
  5. 砂糖入りのコ-ヒーをガブガブ飲ませなさい
  6. 煙草を勧めなさい
  7. 夜更かしをさせなさい
  8. 休暇旅行に行かせない
  9. 酒をうんと飲ませなさい
  10. 最後の仕上げは始終ガミガミ文句を言う

大崎市の病院・医院
大崎市医師会准看護学校
大崎市医師会高等看護学校
訪問看護ステーション
大崎市在宅医療・介護連携支援センター
休日診療案内
大崎市の病院・医院
市民医学講座
かかりつけ医認知症対応力向上研修修了