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HOME > 市民医学講座 > 第18回 市民医学講座 『糖尿病について(糖尿病とつきあっていくために)』

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第18回 市民医学講座 『糖尿病について(糖尿病とつきあっていくために)』

講師 千葉内科医院 千葉 徹

 糖尿病の患者は、我が国では生活水準の向上や平均寿命の延長に伴い、年々増加傾向を示しています。現在では500万人を突破し、40歳以上の成人では10人に1人が糖尿病であると言われています。
 しかし、糖尿病のため通院加療している患者数は、200万人で半数以上の患者は未治療の状態です。
 糖尿病は、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンの作用が不足し、血液中の糖分(血糖値)が上昇し、その結果さまざまな障害が体に生じる病気です。糖尿病は症状がはっきりせず、自覚症状は出現しにくいのですが、長期間放置すると怖い合併症状が発症し、失明や腎不全(人工透析)の原因となります。そのため糖尿病と言われたら自覚症状がなくとも定期的に自分のからだの状態をチェックし、合併症を起こさぬよう治療を根気強く続けなければなりません。
 糖尿病は自己管理が非常に重要で、医療における糖尿病の患者教育および、患者本人の糖尿病の知識の向上が糖尿病の治療にとって不可欠です。

●糖尿病頻度と他の生活指標との関連
あなたは運転免許証をもっていますか。自動車の普及が現代人の運動減少のすべてではないでしょうが、糖尿病患者の増加率と自動車の普及率の数字とは、不思議に一致しています。

糖尿病の診断

 糖尿病の診断は、血糖値の測定で行います。
正常の血糖値は、空腹時は109mg/dl以下、食後でも160mg/dl以下です。糖尿病の診断は空腹時血糖が140mg/dl以上または食後血糖が200mg/dl以上であった場合と経口糖負荷検査で2時間後の血糖が200mg/dl以上であった場合に診断されます。

糖尿病の発生

 糖尿病は、インスリン依存型糖尿病(I型)と非インスリン依存型糖尿病(II型)に分類されます。インスリン依存型糖尿病は若年型とも呼ばれ小児にも発病します。原因はウイルス感染が関与していると言われ、急激に症し、インスリン治療を行わないと糖尿病性昏睡を来し死亡します。それに対し非インスリン依存型糖尿病は成人型とも呼ばれ、糖尿病全体の95%以上を占め、主に成人になってから徐々に発症します。非インスリン依存型糖尿病の発病原因は、遺伝因子と環境因子が関与しています。環境因子としては、食べ過ぎ、太り過ぎ、運動不足が三大因子で、近親者に糖尿病の人がいなくても糖尿病になりやすい生活をしていると、糖尿病になってしまいます。その他の環境因子としては、加齢や薬の副作用で、これらは仕方がないと思われます。

  頻度 体型 発病 年齢 治療
インスリン
依存型糖尿病
5%以下 やせ型 急激 小児期にもなる インスリンが必要
非インスリン
依存型糖尿病
95%以上 肥満型 徐々 主に成人以後 経口剤で不十分な時のみインスリン
糖尿病の症状

 高血糖による症状は、口渇、多飲、多尿が三大症状で、その他、全身倦怠感、体重減少などがあります。しかし、これらの症状が出現するのは血糖値がかなり高くならないと出現せず、ほとんどの糖尿病の患者さんは自覚症状はありません。しかし、糖尿病を放って置くと合併症が発病し、目がかすむ、物が見にくい、視野がかける、足がほてる、両足がしびれる、浮腫、吐き気、めまいなどのさまざまな症状が現れます。これらの合併症による症状は、なかなか良くならず、治療をしても悪化していくことがよくあります。

糖尿病の治療

 糖尿病の治療の目的は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」を組み合わせてインスリン作用不全および不足による代謝異常をコントロールし、合併症を防ぐことにあります。
1.食事療法
2.運動療法
3.薬物療法・経口糖尿病治療薬

・インスリン自己注射
 食事療法は、糖尿病の治療の中でも最も大切で基本となる治療です。食事の時間、量、バランスを守れば良いのですが、これが難しく、毎日続けなければなりません糖尿病の血糖コントロールが乱れ、治療がうまくいってない患者の大半は、食事療法が守れないために生じているのが現状です。しっかり自分の栄養摂取量を知り、「食品交換表」をみながら、解らないことはかかりつけの医師や栄養士に相談しましょう。
 運動療法は、いつでも、どこでも、一人でもできる運動で、20分以上休まず続けられて、少し汗をかく程度の運動が最適です。運動の内容については患者によって変わってくるため、医師との相談が必要ですが、運動不足にならないよう、日常生活での工夫も大切と思われます。
 薬物療法は、食事療法と、運動療法を行っても血糖コントロールが不十分な場合に行われます。経口剤には、「経口血糖降下剤」「食後過血糖改善剤」「インスリン感受性改善剤」などがありますが、経口剤の効果が不十分な場合、または、合併症が進んでいる患者の場合は、インスリン治療が必要となります。糖尿病の薬物療法は血糖を下げる治療であって、糖尿病を治す治療ではありません。食事療法をしっかり守りつつ、医師の指示に従い規則正しく行うことが必要です。

糖尿病の合併症

 糖尿病の合併症は、血糖の高い状態(空腹時血糖が140mg/dl以上、食後血糖が200mg/dl以上)が5年以上続くと、発症してくると言われています。合併症は、体のほとんどの部位で起こる可能性がありますが、かなり進行するまで自覚症状がないので注意が必要です。
糖尿病の三大合併症
1.眼:糖尿病性網膜症
2.腎:糖尿病性腎症
3.神経:糖尿病性神経症、糖尿病性壊疽
その他の合併症
狭心症・心筋梗塞、脳梗塞・脳出血
感染症(肺炎、肺結核、腎盂腎炎など)
 糖尿病性網膜症は、かなり進行しても視力はあまり障害されません。しかし、眼のなかで突然大出血を起こし、視力が急に落ち、失明することがあります。糖尿病は、日本の失明の原因第1位となっています。
 糖尿病性腎症は、最初は蛋白尿から始まり、自覚症状はありませんが、しだいに体に浮腫が出やすくなります。しかし、末期になると尿が出にくくなり、老廃物が体にたまって尿毒症になり、最後には血液透析が必要になります。
 糖尿病性神経症は、まず足の知覚神経の具合が悪くなり、しびれや痛みが起こります。ひどくなると痛みが感じなくなり、足に潰瘍を作ったりします。なかなか良くならない場合は足を切断しなければならない時もあります。また、内臓をつかさどる自律神経が侵されると、めまいや、起立性低血圧、吐き気、下痢などの胃腸症状や、失禁などの膀胱症状などが生じ、日常生活に大変な不自由を来します。
 糖尿病では、上記の合併症のほか、血管の動脈硬化を早くから起こし、狭心症、心筋梗塞の原因となります。また、感染に対する抵抗力も低下し、風邪をひきやすくなり、肺炎や腎盂腎炎などを引き起こしやすくなります。
 糖尿病は放って置けば、いろいろな合併症を来し、大変恐ろしい病気になります。しかし初期のうちに見つけ根気強く、治療を続けていれば怖くありません。30年以上通院し、合併症の出現のない糖尿病患者もたくさんいます。糖尿病と言われたら、治療を中断せず根気強く治療を続けて下さい。

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