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HOME > 市民医学講座 > 第20回 市民医学講座  『痛みとつきあう』

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第19回 市民医学講座  『あなたの骨があぶない』

講師 鴇田整形外科医院 鴇田俊一先生

 私が東北大学整形外科に入局した当時、昭和55年頃は、医局の一大看板が骨(もちろん人の骨です)の非脱灰標本による研究であり、他大学の脱灰標本を元にした研究を比べて、日本国内でも先端の標本作成技術と、研究内容を誇っておりました。最近は、骨粗鬆症という活字が様々な雑誌、テレビ等で注目されるようになりましたが、当時の医局では、新人の医局員でも、耳学問と博士号取得のための基礎研究を手伝わせされたおかげで、骨粗鬆症については、ある程度の知識を持っていた様な気がします。
初期研修が終了し、仙台にもどってくるなり大学病院のRIでの非使用側の前腕骨を用いた骨量計測の係に指名され、骨粗鬆症外来担当になった時、これで将来飯が食えるのかと心配になり、赴任先の病院で一生懸命手術をいたしましたが、開業してから役に立ったのは骨粗鬆症と、博士号取得のときに得た神経の知識だったのは皮肉な話でした。

骨粗鬆症は

 骨粗鬆症は、女性の生理的現象であり、妊娠できる期間つまり生理があり、女性ホルモンが作られているうちは、骨の中にカルシウムを大量に貯えておきますが、生理が止まる50歳から女性ホルモンの減少と共にカルシウムが体外に排泄され、生体に必要な最低限の濃度が保たれるカルシウム量を中に蓄積していればいい訳ですから、骨の成分は、若いときと同じでも骨量は減少していきます。
50歳から骨量が減少し、60歳頃から危険な骨量減に入ります。いわゆる骨折し易くなる年代ということで、胸腰椎移行部の椎体圧迫骨折、胸椎圧迫骨折、腰椎椎体中央部の圧迫骨折(魚椎変形)、橈骨末端部骨折(Colles骨折)、大腿骨顎部骨折等の発生率が高くなります。
しかし古川市周辺の女性群は、仙台市内に比べ閉経前から骨量が多いため、上記の骨折年齢帯はより高齢域にシフトしております。特に農家の方で畑仕事長く続けているご夫婦は、骨量が多いのです。とても良いことのようですが椎間関節に破壊及び、膝関節軟骨の破壊と引き替えに、骨量は多いということです。お嫁さんに来たときから、30kgの米袋や漬物石、300~600坪の畑や庭の草取りをしていれば当然、負荷重量に耐えられる骨の持ち主になるのです。

治療のポイント

 これが骨粗鬆症の治療のポイントなのです。
ビタミンD前駆体(アルファロール、ワンアルファー)、カルシュウム、ビタミンK、カルシトニン製剤(エルシトニン サーモトニン)を摂取して筋肉、骨に負荷をかけて欲しいのです。もし運動による負荷がなければ薬を使用しても、骨量はどんどん減ります。
内服薬の投与は何歳頃から始めましょうか。学会でも50歳頃、あるいはもう少し早くてもいいようです。(いずれにせよ背中の曲がり始める前の方がいいようです。)
それでは運動をして上記の薬物を使用すれば、骨量は確実にふえるのか?という疑問がわくと思います。正直に申し上げて学会の報告を聞いても、明らかに骨量が増えている症例は報告されていません。しかし骨量の減少率は、低下します。これは、老化による筋線維の変性、質の低下、造骨細胞の活動性の低下、つまり身体全体の機能低下によるものであり防ぎようのないものなのです。したがって治療の主体は、骨折を起こし易くなる骨量レベルになる年齢をいかに先に伸ばすかということになります。運動については患者さんからよく質問を受けますが、難しく考える必要はなく、水泳や散歩(30分以上)体操等自分で出来る範囲のものでかまいませんが、全身の筋肉と関節を使えるものであればよろしいと思います。いわゆるスポーツ器具は、飽きてしまうようで長続きしませんし、ダンベル体操は肩関節周囲炎(六十肩、七十肩)の原因になりますので指導には注意してください。
 
その他、胃腸の手術後で栄養分の吸収が不十分な方、卵巣全摘出手術を受けた方、体脂肪が異常に少ない若年女子(長距離ランナー等は生理がなく走行中に疲労骨折出現)等の患者さんを診察なさる時は50歳前でも治療が必要な場合があります。
宇宙飛行士が無重力状態で宇宙に出かけ、地球に戻ってくると、異常な筋力の低下と骨量の大幅な減少で、地上を立って歩けなくなる事から研究が進み、骨粗鬆症の実体解明が急速に進んでまいりました。しかし、生命予後に直接関係してないため、患者さんに説明しても真剣に耳を傾けてもらえない事が多く、骨折してから内服薬の連用を始める方々が大部分です。ほぼ確立されている治療法が有りながら、治療開始が遅れる事で亀背、円背変形や骨折を起こしてしまうのでは残念でなりません。
今回、刺激的な演題名でお話しさせていただきましたのは、骨粗鬆症についてより多くの方々に正しい知識を持っていただきたいからでした。この疾患の対象者は、先生方の診察室に何人も訪れているはずです。この疾患は整形外科でなくても治療できますので、十分な説明を付け加えて御加療いただければ幸いです。
追記 アルファロール(ワンアルファー)は一日量1マイクログラムまで、ロカルトロールは0.5マイクログラムまでです。
過剰投与に注意してください。

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